「正義」という、無料の快楽コンテンツ。誹謗中傷という、現代的「道徳」。

現代に生きる僕たちから、切っても切り離せないもの。

SNS。

そしてそこには必ずといっていいほど、

「炎上」「誹謗中傷」「バッシング」「晒し」

のような、ネットトラブルが存在する。

この問題は度々問題になっており、

顔写真や住所を晒され、今まで通りの生活が送れなくなってしまう事例や、

誹謗中傷によって、自ら命を絶ってしまう事例などが、

テレビやネットニュースなどで散見される。

このような悲劇が起こっているにもかかわらず、何故、誹謗中傷はなくならないのか。

何故、ネット上での悪質な行為は後を絶たないのか。

この事について、橘玲さんの本

「文庫改訂版 事実vs本能」

にとても興味深いことが書いてあるので、その内容を参考に、

僕の見解や本の感想を述べていく。

Amazon.co.jp: 文庫改訂版 事実vs本能 目を背けたいファクトにも理由がある (集英社文庫) eBook : 橘玲: Kindleストア
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※今回僕が紹介しているのは、あくまでもほんの一部でしかない。実際に本を手に取ったほうが何倍も有益だとは思うが、そのきっかけくらいになればと思う。

※あくまでも、本を読んで理解した、僕の解釈での内容であることをご留意いただきたい。間違った情報を伝えようとはみじんも思っていないが、このブログだけを参考にせず、実際に本を手に取ってほしい。

規則違反者を罰する「快感」

元来人間は社会的な動物であり、共同体の中で生きている。

共同体を維持するためにはルールが必要であり、それを破ることは、共同体の崩壊へとつながる。

共同体が崩壊してしまったら、自分は生きていくことが出来ない。

(共同体がないと生きられない)

ならば、輪を乱す(ルールを破る)やつは、排除してしまおう。

この一連の流れが、人間の脳にすり込まれている。

規則違反者を排除することで、ドーパミンが分泌されるという仕組みによって。

SNS社会との相性の良さ

かといっても、誰かを排除する行為は、「対象を攻撃する行為」だ。

自分が攻撃している事が相手にバレたり、

対象が実は規則違反者ではなかった(自分が間違っていた)場合、

今度は自分が攻撃される可能性がある。

そのため、これまでは安易に人を攻撃することにはリスクがあった。

だが、SNSの特徴の一つ、「匿名性」は、このリスクを格段に軽減してくれる。

相手にバレないところから、一方的に攻撃することが出来るのだ。

(開示請求とかはされるけどね。)

バッシングの「中毒性」

先ほど、「誰かを排除する行為は、ドーパミンを放出する」

と言ったが、

ドーパミンが僕たちにもたらすものは、快楽の他にもう一つある。

それは「中毒性」だ。

これがやっかい。

一度バッシングに加担し、対象を排除する事が出来てしまった人物は、

「もっと誰かを排除したい」

という気持ちに駆られてしまう。

(もはやモンスターだ。)

その「正義の怪物」は、他のターゲットを探し回るのだ。

正義と道徳の盾

ネット上でのバッシングは、

あくまでも「正義の名の下」に行われている。

と、彼らは信じている。

「今後同じようなことが起こらないように。」

「ここは叩くべき。」

本当に世の中のためを思っているのだろうか。

自分の欲望に支配されているだけではないのか。

芸能人の不倫なんて、赤の他人の僕たちが首を突っ込むことではないはずだ。

不倫は、「不道徳」ではある。

だが、「刑事的違法」ではない。

ネット上で何かを叩くという行為を、全面的に否定しようとは、僕は思わない。

(確かにSNSには、不適切な投稿が多くあり、それを指摘する行為はよいと思う。)

ただ、それが本当に必要な行為なのか、

書き込む前に一度考えて欲しい。

(怪物には届きそうもないが。)

感想

誰かを叩く行為は脳にドーパミンを分泌させ、それには「快楽」と「中毒性」がある。

このことについて「事実vs本能」を参考に書いてみた。

本書ではさらにわかりやすく、より詳しく書かれている。

コロナ渦の「自粛警察」などと絡めている部分は特に面白かった。

誰かを排除するのは、昔からの人間の「本能」であり、メカニズムもわかったが、

ならしょうがないねとも言えない。

だが止める方法も思いつかない。

だって「本能」だから。

全人類が一斉に理性的になる。

なんてのは夢物語だが。

少なくともこの本を読んだ僕や、これから読むであろう皆さんは、この本能に抗う事が出来るのではないだろうか。

「事実vs本能」には他にも様々な興味深いことが書かれている。

僕のブログだけで終わらず、是非本を手に取ってみて欲しい。

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この本が対象になっているかはわからないが(時期によって変わるため)、月額制でたくさんの本を読むことが出来る、

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